
この記事でわかること
- 子供のリスニングが「伸びない」と感じる3つの原因
- 年齢で変わる、家でできるリスニングの伸ばし方
- わが家で意味がなかったこと(海外版DVDの失敗)
- 字幕・聞き流し・1日の量についてのよくある疑問
「毎日英語を流しているのに、うちの子、ぜんぜん聞き取れていない気がする…」
そんなふうに不安になっていませんか? 英語のアニメを見せても、わかっているのかどうか顔を見てもわからない。親としては、もどかしいですよね。
最初にお伝えしたいのは、子供のリスニングは「聞き取れない」が当たり前のスタート地点だということです。わが家の息子(現在中3)も、ずっとそうでした。
それでも、家での聞かせ方を年齢に合わせて変えていくと、聞き取れる言葉は確実に増えていきます。この記事では、わが家の約9年の記録をもとに、その変え方をお話しします。
先に結論:リスニングは3段階で伸ばす
6歳ごろまで=音をためる(映像とセットならもっといい) 小学生=好きな映像や音楽で意味とつなげる 小学校高学年〜中学=会話の中で「わかる」に変える。聞かせる量より、段階に合った聞かせ方です。
子供のリスニングは「聞き取れない」から始まる
リスニングは、全部聞き取れなくて当然のものです。まずここを、親が知っておくだけで気持ちが楽になります。

息子も、英語は基本的に聞き取れないのがベースでした。オンライン英会話の先生に言い直してもらって、やっと理解する。そんな場面はしょっちゅうです。
それでも私は、焦ったことがありません。聞き取れない前提で見ていたので、聞き取れる言葉が増えるたびに「すごい!」と思えたからです。
リスニングの伸びは、テストの点のように毎週見えるものではありません。「今日も聞き取れなかった」ではなく「前は聞き返していた言葉が、今日は通じた」。この見方に変えると、親も子も続けやすくなります。
リスニングが伸びない3つの原因
伸びない原因の多くは、聞く量ではなく「聞き方」にあります。

わが家の経験と照らし合わせると、次の3つに分けられます。
| 原因 | ありがちな状態 | 家でできる対策 |
|---|---|---|
| ① 興味のない音を流している | BGMのように流れているだけで、子供は聞いていない | 子供が自分から見たがる映像・音楽を選ぶ |
| ② 英語が「おまけ」になっている | 日本語で内容がわかるので、英語に耳が向かない | 英語の音声で見る時間をつくる |
| ③ 聞いた英語を使う場がない | 聞き流すだけで、わからない所を確かめる機会がない | 聞き返せる相手(会話の場)をつくる |
①は年齢が上がるほど起きやすくなります。小さいうちは、流した音をどんどん吸収します。でも小学校の中学年くらいになると、興味のない英語は街の雑音と同じになりがちです。
②は、わが家が実際にやってしまった失敗です。このあと段階2でくわしく書きます。
③は、家庭だけでは用意しにくい部分。聞き取れなかったときに、言い直してくれる相手がいるかどうかで伸び方が変わります。
段階1|6歳ごろまで:音をためる。映像とセットならもっといい

6歳ごろまでは、意味がわからなくても英語を流す価値があります。英語の音に、耳を慣らしていく時期だからです。
わが家は、息子が5歳ごろからかけ流し(英語の音声を流しっぱなしにすること)を始めました。この時期は内容を気にせず、とにかく流していました。
すると、いつの間にか、流していた英語の歌を歌えるようになっていたんです。聞いた音を、そのまま覚えていたんですね。音をためる時期の成果は、こんな形で出てきます。
ここでひとつ、おすすめがあります。同じ時間を使うなら、音だけより「映像とセット」のほうがいいです。画面の動きと音が結びつくぶん、子供の中に残りやすくなります。わが家も歌のかけ流しと並行して、幼児向けの英語DVDを見せていました。
そのうえで、この時期は、わかっているかを確かめなくて大丈夫です。わが家も内容は気にせず、流すことだけを続けていました。
幼児期のかけ流しの効果や始める時期は、こちらの記事でくわしく書いています。
英語のかけ流しは効果ある?いつから始めるか5年育児の実感で解説
段階2|小学生:好きな映像と音楽で「意味」とつなげる
小学生になったら、流すだけでは足りません。子供が夢中になれる映像や音楽を、英語の音声で見せるのが一番の近道です。
わが家では小学校の中学年くらいまで、英語のDVDをかけ流していました。ミライコイングリッシュや、ディズニーのDVDです。息子の好きなアニメのDVDも、英語で見る時間をなるべく作っていました。
好きなアニメが「聞き取れた!」を連れてくる
7歳のころ、息子は「Wild Kratts」という動物のアニメが大好きでした。アメリカの子供向け番組です。
私は「うちの子には英語のレベルが高くて、まだ早いだろうな」と思っていました。英語を楽しいと感じてくれたらラッキー、くらいの軽い気持ちで見せていたんです。
ところが何度も見るうちに、息子がこう聞いてきました。
「『no fair~!』って、『ずるい』って意味?」
全部はわからなくても、聞き取った言葉を場面から推測していたんですね。好きな作品だから、わからない言葉も知りたくなる。流しているだけの音との、大きな違い。
息子が夢中になったWild Krattsの紹介は、こちらの記事にまとめています
わが家の失敗:海外版DVDを取り寄せたのに意味がなかった
うまくいかなかったこともあります。息子の好きなアニメを、わざわざ海外で売られているDVDで取り寄せたときのことです。
届いてみると、日本語で見られる仕様でした。英語は字幕だけ。そして息子は、わざわざ字幕を読みません。結局いつもの日本語で見ていただけで、英語の練習としては意味がありませんでした。
この失敗で気づきました。「英語の教材を買う」より「英語の音で見る時間をつくる」ほうが大事です。日本語で内容がわかる状態だと、子供の耳は英語に向きません。
海外版を買う前に、英語の音声で見られるかを確かめてください。家にあるDVDや配信でも、音声を英語に切り替えられるものは多いです。
「これ、聞いたことある!」が増えると一気に楽しくなる
小1の春休みに、息子とセブ島へ10日間の親子留学をしました。帰ってきてから、テレビなどで流れる英語に「これセブでも聞いた!」と反応するようになったんです。
生で聞いた英語は、記憶に強く残るのだと思います。「英語でなんて言うの?」と聞いてくることも増えました。しかも単語ではなく、言いたい文ごと聞くようになりました。
聞いた英語と、自分の体験や好きなものがつながる。小学生のリスニングは、この「つながった!」の回数で伸びていきます。
短期の親子留学で息子の英語がどう変わったかは、こちらに書いています
段階3|小学校高学年〜中学:会話の中で「わかる」に変える

聞き取れる言葉が増えてきたら、次は聞き返せる相手が必要です。リスニングは、会話の中で一番伸びます。
息子は小3から、オンライン英会話のグローバルステップアカデミー(GSA)を続けています。マインクラフトで遊びながら英語を使うコースも、小3からです。
小学生のころ、息子はレッスンについてこう話していました。
「ゲームしながらだから、先生の言ってることが想像しやすい」
画面の中で何が起きているかがわかるので、知らない単語があっても意味を推測できる。Wild Krattsのときと同じ仕組みが、会話でも起きていたんです。
聞き取れなくても、先生が言い直してくれる
会話のいいところは、わからないときに聞き返せることです。DVDは同じ言い方をくり返すだけですが、先生は言葉を変えて説明し直してくれます。
息子も、最初の言い方ではわからず、言い直してもらって理解することがよくありました。この「わからない→言い直し→わかった」のくり返しが、聞き取れる言葉を増やしていきます。
中2〜3で、大人と話が弾むように
「聞き取れているんだな」とはっきり感じたのは、中2〜3のころです。
息子から「先生と好きな曲や映画の話で盛り上がった」と報告を受けました。大人と対等に近い会話ができるようになっていたんです。
先生の言っていることがわかるから、話が弾む。話が弾むから、また聞きたくなる。ここまで来ると、リスニングはもう「勉強」ではなくなります。
英検も、中2で3級、中3の最初の回で準2級と、あとから結果がついてきました。
マイクラで英語を学ぶレッスンの様子は、こちらの体験談にまとめています
わが家が実際に見せていたもの
「何を見せればいいの?」といちばん聞かれるので、わが家で実際に使ったものを並べます。
| 時期 | 使っていたもの |
|---|---|
| 5歳ごろ〜 | 英語の歌のかけ流し(映像つきだとなお良い) |
| 幼児〜小学校中学年 | ミライコイングリッシュ、ディズニーの英語DVD |
| 7歳ごろ | 「Wild Kratts」など、本人が好きな英語のアニメ |
| 小3〜中3 | オンライン英会話(GSA)。聞き返せる相手がいる場 |

大事なのは中身より、日本語で見られる状態を残さないこと。選べるようにしておくと、子供は必ず日本語を選びます。
年齢別|家でできるリスニングの伸ばし方

ここまでの内容を、年齢ごとに整理します。お子さんの今の段階と照らし合わせてみてください。
| 時期 | ねらい | 家でやること |
|---|---|---|
| 6歳ごろまで | 英語の音をためる | 歌やDVDを流す。音だけより映像つきが入りやすい。理解の確認は不要 |
| 小学校低〜中学年 | 音と意味をつなげる | 好きなアニメ・音楽を英語の音声で見る。「なんて意味?」に答える |
| 小学校高学年〜中学 | 「わかる」に変える | 聞き返せる会話の場をつくる(オンライン英会話など) |
どの段階から始めても、遅すぎることはありません。小学生から始めるなら、段階1を短めにして、好きな作品選びから入れば大丈夫です。
私はフル勤務のワンオペで、英語育児をしてきました。持論は「1日1つでいい」。DVDを1本英語で見る、それだけの日があっても十分です。
よくある質問
リスニングについて、よく聞かれる疑問をまとめました。
Q1. 英語のアニメは字幕あり・なし、どちらがいいですか?
まず大事なのは、字幕より「音声が英語になっているか」です。わが家は海外版DVDで英語が字幕だけになり、息子は字幕を読まずに日本語で見ていました。英語の音声で、好きな作品を見られる状態をつくってください。
Q2. 1日どれくらい英語を聞かせればいいですか?
英語の習得には、約2,760時間かかるという米国務省の目安があります。ただ、リスニングは長さより「子供が聞いているか」で差がつきます。興味のない音を長く流すより、好きな作品を短く見るほうが効果的です。
Q3. 聞き流しだけでリスニング力は伸びますか?
6歳ごろまでは、流すだけでも音をためる意味があります。ただ、同じ時間なら映像つきのほうが残りやすいです。小学校の中学年くらいからは、ただの聞き流しは雑音と同じになりやすいです。好きな映像・音楽を選ぶか、会話の場と組み合わせてください。
Q4. 小学生から始めても、リスニングは間に合いますか?
間に合います。わが家もかけ流しを始めたのは5歳ごろで、早いほうではありません。小学生からなら、まず好きな作品を英語で見ること。そして、聞き返せる会話の場を早めにつくってください。
Q5. 親が英語を話せなくても、リスニングは伸ばせますか?
伸ばせます。親の役目は、英語を教えることより「聞く環境」をつくることです。聞き取れなかった言葉を言い直してくれる役は、オンライン英会話の先生に任せられます。
まとめ|「聞き取れない」を前提に、聞かせ方を変えていく
子供のリスニングは、聞き取れないところから少しずつ増えていくものです。
- 聞き取れないのが当たり前。増えた言葉に注目すると焦らない
- 6歳ごろまでは音をためる。音だけより、映像とセットのほうがいい
- 小学生は、好きな作品を英語の音声で。日本語で見られると英語は入らない
- 高学年〜中学は、聞き返せる会話の場で「わかる」に変える
息子も、聞き取れないまま何年も英語を聞いてきました。それでも中学生になって、先生と好きな曲や映画の話で盛り上がれるようになりました。
今日できることは、お子さんの好きなアニメを1本、英語の音声で流してみること。そこから始めてみてください。