「小学校の英語は楽しそうにやっているけれど、中学に上がって急についていけなくなったら…」。そんな不安から、この記事にたどり着いた方が多いと思います。
結論から言うと、中学英語のつまずきは、小学生のうちの準備でかなり防げます。特別な先取り学習は必要ありません。
大事なのは、アルファベットと音、そして「英語を話す・読む経験」を切らさないこと。この3つを小6までに整えておくと、中1のスタートがぐっと楽になります。
この記事では、子供向け英会話教室のスタッフとして働いた経験を持ち、息子を9年間おうち英語で育ててきた立場から、中学準備で今やることを整理します。

この記事でわかること
- 中学英語が小学校英語とどう変わるのか
- 中1でつまずく子に共通する3つのポイント
- 小学生のうちにやること5つ(使うもの・注意点つき)
- わが家が9年かけて英語を得意科目にした流れ
中学英語は「小学校英語の続き」ではありません
まず押さえておきたいのは、中学英語が小学校英語の延長ではないということです。目的そのものが切り替わります。
小学校の英語は「英語に慣れる・好きになる」が中心。歌やゲームで音に親しみ、書くことはほとんど求められません。
一方、中学の英語は「成績のつく、学ぶ英語」です。単語を書き、文法のルールを覚え、定期テストで点数化されます。ここのギャップが、最初のつまずきの正体です。
単語の量も一気に増えます
2020年度からの学習指導要領で、小学校では600〜700語程度の英単語に触れることになりました。文部科学省の資料でも、この語数が示されています。
そして中学では、この600〜700語を「知っている前提」で、さらに1600〜1800語が加わります。小3から中学卒業まででおよそ2200〜2500語。以前の約1200語から倍増しました。
| 項目 | 小学校の英語 | 中学校の英語 |
|---|---|---|
| 目的 | 慣れる・好きになる | 学ぶ・成績になる |
| 書く量 | ほとんどなし | 単語・英文を書いて覚える |
| 文法 | 感覚でふれる | ルールとして理解する |
| 評価 | 数値化されない | 定期テスト・通知表 |
数字だけ見ると身構えてしまいますが、あわてて単語を詰め込む必要はありません。やることを絞れば大丈夫です。

中学英語でつまずく子に共通する3つのポイント
中1の早い時期でつまずく子には、共通するパターンがあります。教室で多くの子を見てきて、だいたいこの3つに集約されます。
1. アルファベットとローマ字があいまい
大文字は書けても小文字が不安定。bとd、pとqが混ざる。ローマ字の仕組みがあやふや。
この状態だと、単語を書くたびに手が止まります。英語の中身に入る前のところで、毎回つまずいてしまいます。
2. be動詞と一般動詞の区別がつかない
中1の英語は、語順と動詞のルールが土台です。「I am play soccer.」のような文を書いてしまう子は少なくありません。
この基礎文法は、半年や1年で体に入るものではありません。頭でわかっても、書くとき話すときに間違える時期がしばらく続きます。だからこそ、早めに少しずつ触れておく価値があります。
3. 英語を「読んだ」経験が足りない
聞く・話すはやってきたのに、文字を目で追って読む経験がほぼない。すると、教科書の英文がただの記号の羅列に見えてしまいます。
音は知っているのに文字と結びついていない。この「音と文字のズレ」が、中学で一気に表面化します。

小学生のうちにやること5つ
準備することは多くありません。次の5つを、小5〜小6のあいだに少しずつ進めれば十分です。
1. アルファベットの大文字・小文字を書けるようにする
まずはここから。4本線のノートで、小文字の高さと位置まで正確に書ける状態を目指します。
使うもの:市販の「アルファベット練習ノート」か、無料で印刷できる4本線プリント。注意点:一度に全部やらず、1日5文字ずつ。書き順より「形の見分け」を優先します。
2. ローマ字をもう一度復習する
ローマ字は小3の国語で習いますが、忘れている子が多い項目です。自分の名前、家族の名前、住んでいる地名をローマ字で書けるか確認してみてください。
選び方:ヘボン式で書けると、英語の音とのつながりがスムーズです。注意点:ローマ字と英語の発音は完全には一致しません。「あくまで橋渡し」と割り切って進めます。
3. 教科書レベルの基本単語を「音と文字」で結ぶ
曜日、月、数、色、身のまわりのもの。小学校で耳にしてきた単語を、文字でも見て読めるようにします。
使うもの:小学英語の単語帳(イラストつき・音声つきのもの)。注意点:完璧に書けるより「見て読める」を先に。書きは中学でも練習が続くので、今は読みに集中します。
4. 短い英文を声に出して、語順に触れておく
「I like ~.」「This is ~.」「I have ~.」のような型を、音読で口になじませます。文法用語は不要です。
やり方:教科書ガイドや音読アプリで、1日3文だけ。注意点:意味を訳させず、英語の並び順のまま繰り返すのがコツです。
5. 英語を実際に話す場を持つ
準備の中で、いちばん効くのがこれです。話す場があると、他の4つの練習にも意味が生まれます。
選び方:週1回でいいので、継続できる形を選びます。近くに教室がなければオンライン英会話が現実的です。注意点:週1回だけで家庭学習ゼロだと間隔が空きすぎるので、かけ流しやワークと組み合わせます。
自宅学習の全体像は小学生の英語自宅学習、5年続けてわかった方法とコツにまとめています。あわせて読むと、5つの位置づけが見えてきます。
いちばん大事なのは「英語を嫌いにさせない」こと
準備というと勉強量の話になりがちですが、優先順位の一番は「中学入学の時点で英語を嫌いにしていないこと」です。
「読めた」「言えた」「先生に通じた」。この小さな成功体験が積み上がっている子は、中1の授業も前向きに受けられます。
逆に、準備のつもりで無理をさせて英語がいやになると、内容以前にスタートで出遅れます。私は「1日1つでいい」を持論にしてきました。フル勤務のワンオペで、それ以上は続かなかったからです。
おうち英語をいつから、どう始めるかで迷っている方はおうち英語はいつから?始め方を年齢別に体験談で解説も参考になります。

学年別|中学準備の進め方の目安
同じ「準備」でも、学年によって力の入れどころは変わります。目安を表にまとめました。
| 学年 | やること | 1日の目安 |
|---|---|---|
| 小4〜小5前半 | 音に親しむ・話す場を作る。かけ流しやオンライン英会話で「英語は楽しい」を土台に | 10〜15分 |
| 小5後半 | アルファベット小文字を書く練習を開始。ローマ字を復習 | 15分 |
| 小6 | 基本単語を見て読む・短い英文の音読。話す場は継続 | 15〜20分 |
| 小6の1〜3月 | 教科書の最初の数ページを音読。単語ノートの書き方に慣れる | 20分 |
時間は少なめに見えるかもしれません。ただ、毎日続くほうが週末にまとめてやるより残ります。「短く、切らさない」を優先してください。
すでに小6で時間がない場合は、アルファベットの小文字と音読の2つに絞って構いません。全部やろうとして息切れするより、狙いを決めたほうが結果につながります。
わが家の9年間|かけ流しから中学の得意科目まで
ここからは、息子の実例です。順番に振り返ると、準備で何が効いたのかが見えてきます。
本格的な英語のかけ流しを始めたのは5歳ごろ。早くから耳を慣らす大切さを、英会話教室で働くまで知りませんでした。もっと早ければ、と今でも思っています。
小3からは、オンライン英会話のグローバルステップアカデミー(GSA)を始めました。きっかけはマインクラフトのコース。ゲームの世界で先生と英語で話す形で、本人は「勉強」と思わないまま続けられました。この経緯はマイクラで英語学習!小3から始めて中3まで続けた理由にまとめています。
英検は中2で3級、中3になって最初の英検で準2級に一発合格しました。対策は市販の問題集と、オンライン英会話で英語を話し慣れていた土台の合わせ技です。英検とオンライン英会話の関係は子供の英検対策にオンライン英会話は効果ある?準2級一発合格の実体験で詳しく書いています。
中3の2026年7月、県の模擬テストで英語の偏差値は67でした。英語だけの数字で、他の教科は平均前後です。特別な才能ではなく、9年間の積み重ねがそのまま出たと受け止めています。
学校では英語に自信を持っていて、来ている外国の先生に自分から話しかけるタイプです。準備の5つでいえば、5番目の「話す場」を切らさなかったことが、いちばん効いたと感じています。
よくある質問
Q. 中学準備のために英語の先取り学習は必要ですか?
中1の内容を先に進める必要はありません。アルファベットとローマ字、基本単語の読み、短い英文の音読、そして話す場の4〜5点を整えるだけで十分です。先取りより「土台の穴をなくす」意識で進めてください。
Q. 英会話は習っていますが、中学準備は別に必要ですか?
はい、書く準備は別に必要です。会話中心の習い事だと、アルファベットを書く・単語を文字で読む経験が抜けがちです。週1回でも、4本線ノートでアルファベットと基本単語の読み書きを足しておくと安心です。
Q. いつから中学準備を始めればいいですか?
小5の後半から小6にかけてが目安です。早すぎると中だるみし、直前だと詰め込みになります。小6の1年間で、アルファベット→ローマ字→基本単語の読み→音読、と段階的に進めるのが無理のないペースです。
Q. 英語が苦手なまま小6です。今からでも間に合いますか?
間に合います。優先すべきは、アルファベットの小文字を正確に書けることと、be動詞・一般動詞の型に音読で触れておくことの2点です。この2つがあるだけで、中1のスタートでの出遅れはかなり防げます。
Q. 中学英語のつまずきを防ぐのに、オンライン英会話は役立ちますか?
役立ちます。話す場があると、単語や音読の練習に「使う目的」が生まれ、定着しやすくなります。わが家は小3からオンライン英会話を続け、中学でも英語が得意科目になりました。ただしレッスンだけに頼らず、家庭でのインプットと組み合わせることが前提です。
まとめ|準備は「量」より「穴をなくす」こと
中学英語は、小学校英語の延長ではありません。書く・覚える・点数になる英語へ切り替わります。
だからこそ準備の軸は、アルファベットとローマ字、音と文字を結ぶこと、そして話す場を切らさないこと。この土台があれば、単語が倍増しても崩れません。
わが家は5歳のかけ流しと小3からのオンライン英会話で、中3で英語が得意科目になりました。才能ではなく、続けたことの結果だと思っています。
「中学でも続く形」を確かめる近道は、無料体験で相性を見てみることです。
《著者》りくまま:元・子供向け英会話教室スタッフ&留学カウンセラー経験者、中3男子の母。学生留学2回・親子留学1回、5年以上の英語育児の実践記録をもとに書いています。